2014年11月8日土曜日

日本人の心の弱さ

例えば、比較的単純なケースですが、ある人が知人の口車にのってうっかりお金を貸してしまったところ、お金を借りた本人は行方不明になってしまった。そこで、二人の人が保証人になっていたはずだということで保証人に責任追及をした、という事件がありました。

一人の保証人は普通の「まともな人」で、自分が保証人になっていたことをすんなりと認めました。他方、もう一人は、状況証拠などから明らかに保証についての責任を負うはずであると思われるにもかかわらず、言い逃れをするばかりで積極的な説明も弁解もせず、ただ単に、頑として責任を否定するだけです。

保証責任を認めた方は、サラリーマン定年後に第二の人生を苦労しながら送っている人であり、他方、保証責任を負わないと主張する方は、自称「年商およそ百億円」の富豪でした。こういう場合、頑として否認する人に対して責任追及していくのは、なかなか難しく、苦労するというのが、おいおい詳しく説明しますが、日本の現実です。

とりもなおさず、それが難しい理由は、その人が否認しているからで、それをどうすることもできず、どうかするにも充分な手段・手続が用意されていません。ひょっとすると、どんな場合も責任を負わないで抵抗してきたからこそお金持ちになれたのかもしれず、それを「仕方がないな」と許してしまうのも、日本人の人の好さというか弱さのように感じられます。