今夏、野菜の卸値は安値が続いた。7月下旬の入荷増がきっかけだったが、その後入荷量が前年並みに落ち着いても卸値は上がりにくかった。商品全体の値上げが相次ぐ中で消費者がまず野菜から支出を引き締めているのでは、との声もあがり始めている。
東京都中央卸売市場での野菜全体の平均卸値は7月中旬まで高かった。流れが変わったのが7月20日前後。4―5月の多雨の影響で生育が遅れた関東産と、7月上旬から続いていた猛暑で生育が早まった東北産の入荷が重なった。
野菜の平均卸値は7月上旬に1キロ229円だったが、下旬には1キロ180円。前年より8%入荷量が多く、上旬と比べて卸値は2割以上も下落した。卸値は8月に入っても上昇しなかった。8月上旬は1キロ190円、中旬は200円で卸値は前年を1割下回る水準で低空飛行を続けた。卸売会社や各JAが首をかしげるのは入荷量の増加と比べて卸値の下げ幅が大きいことだ。8月上旬は入荷量が前年より8%少なかったが、卸値は12%も安かった。
安値の原因が消費の落ち込みにあると農水省や全国農業協同組合(全農)、卸会社は声をそろえる。「7月からの猛暑で食欲が落ち込んだ」「相次ぐ食品値上げの影響で財布のヒモが堅くなった」「ガソリン値上げの影響で消費者が郊外の大型量販店に足を運ばなくなった」などの声が聞かれた。ただいずれの説明も決定力に欠ける。スーパーのバイヤーは「安売りしても野菜が売れない」と嘆く。「ほかの食品の値上がりで野菜にしわ寄せがきているのでは」との見方も出ている。
8月後半に気温が急激に下がった後も安値は続き、キャベツは9月に入り産地廃棄が決まった。キュウリやトマトなどの果菜類を中心に8月の低温のダメージを受け、9月下旬には入荷が減るとみられる。このため「9月下旬からは卸値が上昇する」(東京・大田市場の卸会社)との声は多い。ただ、今後も様々な食品値上げは続き、消費の低迷も長引きそう。入荷量の減少しても卸値に反映されない可能性もある。
2012年5月28日月曜日
2012年5月24日木曜日
資源高受け、商習慣変更に動く建設業界
鋼材が大幅値上がりするなど資材高騰が建設業界全体に重くのしかかっている。今春、激しい販売競争で値上がりしないと言われたセメントも大幅に上昇した。
こうした現状を受けて、国土交通省は6月に「単品スライド条項」の発動を決めた。国が発注する公共工事で鋼材などの資材価格が見積もり段階よりも大幅に上昇した場合、建設業者が工事代金にコスト上昇分の一部を上乗せできる仕組みだ。だが「単品スライドの実質的な効果は薄い」とゼネコンの資材担当者は漏らす。
単品スライドは、資材の値上がり分が総工事費に占める割合が1%を超えた場合に、超えた分を国が補てんする制度。仮に総工費100億円のプロジェクトならば、資材の値上がり分だけで1億円を超えた分のみが適用範囲になる。このため単品スライドを適用しても「実際に補助の対象となる金額は少なく、ゼネコンの負担は軽減されない」という見方が大半を占める。
それでもゼネコンが単品スライドを歓迎するのは、公共工事価格に資材高を転嫁することを国が認めたことで、「民間工事でも施主に価格転嫁を求める道が開けた」ためだ。これまで民間工事は公共工事以上に施主への価格転嫁は難しいと考えられてきた。だが今年9月、大手ゼネコン各社は着工済み物件への原燃料高転嫁を求めて施主と交渉を開始した。
一方、鋼材や生コンクリートなどの建設資材メーカーも、契約期間の短縮など、変動するコストを迅速に価格に反映するための仕組み作りに動き始めている。止まらない資源高を受けて、従来の商習慣を変更しようとする動きが建設業界全体に広がっている。
こうした現状を受けて、国土交通省は6月に「単品スライド条項」の発動を決めた。国が発注する公共工事で鋼材などの資材価格が見積もり段階よりも大幅に上昇した場合、建設業者が工事代金にコスト上昇分の一部を上乗せできる仕組みだ。だが「単品スライドの実質的な効果は薄い」とゼネコンの資材担当者は漏らす。
単品スライドは、資材の値上がり分が総工事費に占める割合が1%を超えた場合に、超えた分を国が補てんする制度。仮に総工費100億円のプロジェクトならば、資材の値上がり分だけで1億円を超えた分のみが適用範囲になる。このため単品スライドを適用しても「実際に補助の対象となる金額は少なく、ゼネコンの負担は軽減されない」という見方が大半を占める。
それでもゼネコンが単品スライドを歓迎するのは、公共工事価格に資材高を転嫁することを国が認めたことで、「民間工事でも施主に価格転嫁を求める道が開けた」ためだ。これまで民間工事は公共工事以上に施主への価格転嫁は難しいと考えられてきた。だが今年9月、大手ゼネコン各社は着工済み物件への原燃料高転嫁を求めて施主と交渉を開始した。
一方、鋼材や生コンクリートなどの建設資材メーカーも、契約期間の短縮など、変動するコストを迅速に価格に反映するための仕組み作りに動き始めている。止まらない資源高を受けて、従来の商習慣を変更しようとする動きが建設業界全体に広がっている。
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